俺のためなんて言わないで

9月某日 AM 10 時

「ただいま。あ〜疲れた。」

出張から戻り、4日ぶりに帰って来たボンゴレ本部。なのにいつもいの一番に迎えてくれるはずの彼の姿がない。

「ねえ、獄寺君は?」

「は、はいっ!獄寺様はただいま任務のため早朝から外出中です。」

「そう…。ありがとう。」

なんだよ。俺は4日間君に会いたくて会いたくて仕方なかったのに。

俺が戻ってくる日くらい、待っていてくれたっていいだろう?

そんな思いを押し殺しながら、俺は早速留守中にたまった書類に手をつけ始めた。

 

同日 PM 20時

 

書類に手をつけ始めた…といっても全然すすまなかった。

いつも獄寺君がやりやすいように整理してくれているのに慣れ切っていて

自分一人ではなかなか書類も面倒くさいし、何より彼がまだ戻らないことが気になって仕方なかった。

「なんだよ…任務って、そんなに大変なことなワケ?よりによって今日にしなくてもいいのに。」

俺はそんな勝手なことを思っていた。

勝手だよ、悪い? 誰だって疲れて帰って来たら、恋人に会いたいだろ?

 

翌日 AM 1時

 

カチャと静かな音をたてて、ツナの寝室の扉が開く。

ここの鍵を持っているのは部屋の主とその恋人だけ。

「よかった、十代目、無事お帰りになっていた…。」

たった4日間とはいえ、敬愛する十代目の姿が見えない間獄寺は気が気でなかった。

すうすうと寝息をたてているツナの姿を確認し、自室に戻ろうとする獄寺だったが

急にキュッと腕をつかまれた。

「お帰り獄寺君。」

「じゅ、じゅ、じゅ、十代目??まだ起きてらっしゃったんですか?」

「そりゃそうだよ、もう何日も会ってないのに、君に会うまで眠れない。

 お帰りなさい隼人。」

「…ただいま戻りました、十代目。」

そういって、彼の人の口に自分の唇を近づける。自身が命をかけて守るべき対象であり

また最愛の恋人であるボンゴレ十代目、沢田綱吉。

4日ぶりに彼の人に触れられる…そう思ったのに。

「…。」

綱吉は突然不快そうな顔をして、キスをしようとした隼人を退けた。

 

 

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