「ふげーーーー!」
「獄寺君!」
「おい獄寺!!」
「どうしたタコ頭!」
「ごくちゃ〜ん!どったの〜?」
「隼人兄!!大丈夫?」
「ガハハー!ざまーみろバカごくでら!」
「隼人!!しっかりして!」
「近づいたら逆効果だよビアンキーーーー!!!!」
久々にみんなの都合がついたので(なぜかロンシャンまで)俺の家に集まったのに、
突然現れたビアンキにを見て気絶してしまった獄寺君。まあ、いつものパターンだよね。
とりあえずビアンキから離れた方がいいだろうと俺の部屋まで運んだけれど、相変わらず気分が悪そうだ。
「迷惑かけてすみません十代目…」
「大丈夫だよ、気にしないで。でも、ビアンキ当分一緒に居座りそうだから出てこない方がいいかも…。」
「はい…そうっスね…。すみません十代目をおまもり出来ずに…。」
力のない返事をしたと思ったら、そのまま気を失ったみたいだった。この人、いつまでビアンキに弱いままなんだろう?
獄寺君も心配だけど、折角集まってくれた皆を放っておくわけにもいかないので、
(放っておくと何をするかわからないから)
俺は獄寺君を自分のベットに寝かしつけたまま皆のいる居間へ戻ろうと部屋を出た。
(「おまもりする、なんて相変わらず獄寺君大げさだよなあ…。ここ、俺んちなのに。」)
なんて思いながら階段を降りて行くと。
「ガハハハハ!!!ランボさんお腹すいたぞー!」
「もうランボ!さっきからアメ玉ばっかり食べ過ぎだよ!ツナ兄に怒られるよ!」
「俺も極限に腹が減ったぞ!」
「あ、先輩、じゃあウチから寿司でも持ってきますか?」
「私が居るのに喧嘩を売ってるの山本武?」
「え?いや…」
「私のつくるスシの方がおいしいわ!!」
「うわあああああああああああん!!」
笑い声、泣き声、叫び声、怒鳴り声、そしてビアンキの脅迫する声。
(「すでにカオスだーーーー!!」)
中で起こっているであろう出来事を想像して部屋の前で立ちすくんでいると、中からビアンキに追われた山本が飛び出して来た。
「お、ツナ!獄寺の様子はどうだ?」
ポイズンクッキングを手にしたビアンキに追われながらのこの余裕はさすが山本というべきか。
「うん、一度目を覚ましたけどまた眠っちゃった…。」
「全く…しようのない子ね。いつまでたってもアガリ症で…ちょっと様子をみてこようかしら?」
「あ、ああうん、大丈夫だと思うよ?」
(「アガリ症じゃないだろーー!!!」)
とツッコミたい気持ちは押さえておいて。(たぶん)大切な弟の話題が出たので落ち着きを取り戻したビアンキを煽らないよう、
また獄寺君の体調をこれ以上悪くしないよう、適当にお茶をにごして山本とともに台所に避難する。
「いやー、こんな賑やかなの久しぶりだな!」
「そうだね…」
たった今ビアンキに脅されていたというのに、山本はいたって楽しそうだ。やっぱりこの人、大物だ…と思いつつ、
すでに疲れ始めている俺は愚痴をこぼしてしまう。
「ランボもいつも大騒ぎしてるけど今日は特にひどいね…やっぱり久々にみんなが集まったからかな。」
「いやー、それもあるかもしれないけど、獄寺がいないからじゃね?」
「え?」
獄寺君がいたらもっとひどいことになってるだろ…。と思った気持ちが顔に現れたのか、山本はやっぱりな、という表情をして
続けた。
「だって獄寺がいたら、『十代目に迷惑かけんじゃねえ!』とか何とか言って、花火持ち出してそれで騒ぎが収まるだろ?
獄寺がいないから好き放題だもんなー。」
(「いや、獄寺君がいたって好き放題だろう…」)
と、またも心の中でツッコミを入れようとして、ちょっと考えてみる。
確かに、獄寺君は何かと言うとすぐダイナマイトを持ち出して爆破しようとしたりランボを殴ろうと(実際殴ったり)するけど、
大抵のランボのワガママはそれでおさまってしまう。
一緒になって喧嘩をすることもあるが、なんだかんだでことランボに関しては獄寺が騒ぎをおさめていることもあるようだった。
俺の頭の中ではすっかり獄寺君=トラブルメーカーという図式が出来上がっていたのだけれど。
今しがた気付いた事実になるほどなーとうなづいていると、横で山本もちょっと考え込むような仕草をした。
「山本?」
「獄寺といえばさー、なんでツナは獄寺のこと『獄寺君』って呼ぶんだ?」
「え?」
唐突に何を言い出すんだろうこの人は。思わずはっと顔をあげると山本と真正面から視線がぶつかった。
「いや、俺なんか『獄寺』って呼び捨てだし、ロンシャンだって何かあだなで呼んでるだろ。ツナなんか一番仲良さそうなのに
なんで『君』づけなのかなーと思ってさ。」
「え、べ…別に大した意味ないよ。…最初に『獄寺君』って呼んだから、今もそう呼んでるだけ。どうしたのさ、急に?」
「いや、さっきみんなが獄寺のこと呼んでるの聞いて、ちょっとあれ?って思っただけ。
悪い!変なこと聞いて。気にしないでくれな!」
それだけ言い残すと、山本はまた部屋に戻って行ってしまった。中からは相変わらずランボの泣き叫ぶ声とそれをなだめる
フゥ太の声、周りでよくわからないことを叫んでいるお兄さんの声と面白がっているロンシャンの笑い声が聞こえる。
廊下に残された俺は山本の後は追わずに、もう一度階段を上って行った。
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