ちょっと気になる彼のこと 2

「えーと、そうしたら I would call him かなあ?」

「いや、 I was calling to him の方が自然だろ。」

「あ、そっかあ!」

俺と笹川はすっかり人気のなくなった教室で、課題として出された英会話のスキットとやらを作るために居残りしていた。

これが十代目が相手だったら喜んで一晩中でもつきあうが、十代目以外の人間なんて興味ない。

(あーめんどくせー…)

いい加減に退屈してきたとき、笹川がじっと俺の目をみて言った。

「獄寺君てほんとに頭いいよね。英語もペラペラだし…。イタリアにいたんだよね??」

「あ?あ、ああ…。」

だから何だ?と問いたげな視線を向けると、笹川は相変わらず可愛らしい微笑みを浮かべて言った。

「ううん、何でもない。でもツナ君が最近イタリア語を勉強してるのも獄寺君の影響なのかなあ、って思って…。」

十代目がイタリア語を勉強…??初耳だ。

おっしゃってくださればいつでもお手伝いしますのに!!という俺の秘かな驚きにも構わず笹川は続けた。

「ツナ君って最近すごいよね。何がすごいのかよくわからないけど、他の人と違う気がする。」

「はあ?当然だ!!十代目はそんじょそこらの連中とは全く別次元のお方なんだ。」

俺は即座に反応する。今更何を言ってんだこの女は…。そう思ったが、その後に笹川が続けた言葉は獄寺をさらに驚かせるものだった。

「ツナ君、獄寺君が転校して来てからとっても活き活きしてる気がする。」

「は???」

「前は、ツナ君…人当たりよくて優しいけど、そんな目立つ性格じゃなかった。

 でも獄寺君が転校して来た頃からすごく積極的になって、すごいなって思うようになったの。」

正確にはツナがリボーンと会った頃からなのだが…。

そして積極的になった、といってもそれはほとんどが死ぬ気弾の影響なのだが。

それでも獄寺は大好きな十代目が褒められて悪い気がする訳がなかった。

「ツナ君、最近すっごく堂々としてる。自分に自信があるっていうか…。

 それってきっと、獄寺君がツナ君のこといっぱい褒めてるからだと思うんだ。

 前はちょっと頼りないところもあったけど、今のツナくんにならなんでも言える気がする。」

(…聞きましたか十代目!!!!)

笹川がこんなにツナのことを褒めている。十代目がお聞きになったらどんなに喜ぶだろう。

笹川がこんなにツナのことを気にしていると知ったら…。

獄寺は、自分の胸にあるチクチクした痛みには気付かないフリをして

京子のこの言葉をいかにツナに伝えるかを考えていた。

                    

 

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