ピンポンピンポンピンポーン…!!
けたたましい呼び出し音が鳴り響く。
少しして、部屋の中からがやがやと声が聞こえてきたと思ったら、目の前の扉が勢いよく開いた。
「誰だッ!何度もうるっせーぞ!」
「ごくでらくんっ!!」
「じゅじゅじゅ…十代目!!?どうしてここにッ??」
そんなに驚かなくてもいいじゃないってくらい目を見開いて驚く獄寺君。
…でもどうしよう。
勢い良く呼び出したはいいけど、何とか言い訳を考えないと。
「あ、えっと、獄寺君あのね…」
「ま、まあ十代目。とりあえず外はお寒いので上がって下さい。汚ねー部屋ですが。」
びっくりしつつ、突然現れた俺を部屋にあげた後、何を思ったか
獄寺君はすごい勢いで土下座を始めた。
「申し訳ありません十代目!!!わざわざこの寒い中俺の家までお越しいただくなんて…。
用があればいつでも俺が十代目の所まで駆けつけますのに。」
(だって帰っちゃったのは獄寺君じゃないか。)
「え?」
(それで山本と一緒にいるんじゃないか!)
獄寺くんに対する八つ当たりのような責めの言葉が口から出そうになったときに
ピピピピピ…!!!!という電子音が鳴り響き、山本が呼ぶ声が聞こえた。
「おーいごくでらー!!時間だぞー。」
「あ、やべっ!十代目、少々御待ち下さい!」
そういってキッチンの方へ消えて行く獄寺君。
後を追っていくと、キッチンではもうもうと湯気があがり、獄寺君と山本がでっかい鍋と格闘していた。
「ほら獄寺、だから全部どばーってあげるんだって。どばーって!」
「うっせーわかってるよ!そこどけ邪魔だ!!!」
「うわあちっ!」
…二人がつかんでいる鍋から出て来たのは、いままさに茹で上がった大量のパスタ。
「んでこれをこっちのソースに絡めるんだよな。おーいツナ!ちょっと手伝ってくれ。」
「え、あ?う、うん。」
わけもわからず言われた通りにパスタを別の鍋に移すと、
おいしそうな匂いが辺りに立ちこめて来た。
「よしっ。うまそーだな。折角だからツナも食っていけよ。」
「何言ってやがるんだ野球馬鹿!十代目はお母様がちゃんとしたお食事を自宅でご用意して下さってるんだよ。
こんなもん食べてる場合じゃねーんだ。」
まだ状況がよくわからないけど、とりあえず俺を帰そうとした獄寺君の一言にむっとして
むっとして、思わず冷たい口調で言ってしまった。
「俺二人と一緒に食べたいよ、獄寺君。それとも俺がいると邪魔?山本と二人きりがいいの?」
「なっ!!と、とんでもないです!ただ…」
「まーまー、冷めちまうから喧嘩すんなって!とりあえず食おーぜ。ほら。」
相変わらずマイペースな山本に促され、俺たちはとりあえず茹で上がったパスタを食べ始めた。