「あ、もうこんな時間っスね!俺、そろそろおいとまします十代目!」
「あら獄寺君、もう帰っちゃうの?よかったら晩ご飯食べていって?」
「いえいえお母様、お気遣いなく!では十代目、ゆっくりお休み下さい。また明日お迎えにあがります!」
そう言って獄寺君は俺の部屋を飛び出て、嵐のように去って行った。
「お鍋だから、大勢居た方がいいのにねえ…。
ツっ君、今度は獄寺君に晩ご飯もどうぞ、って誘っておいてちょうだい?」
閉じた玄関を見ながら奈々もつぶやく。
…言われなくてもそうしてるよ。
いつも獄寺君がうちに来たときには、夕ご飯食べていって、て言っている。
一人暮らしの獄寺君の食生活が心配だし、何より少しでも長く一緒に居たいから。
それでちょっと前までは遠慮しつつも残って食事していったのに。
一緒にご飯食べながら、おしゃべりしてたのに。
なのに、このごろ獄寺は夕飯の時間が近づいてくると急にそわそわし始め
タイミングを見計らっていたかのように辞去を申し出る。
「怪しい…。」
思い込んだら一直線な彼のことだ。
また何か変な思い込みをしているのかもしれない。
「明日こそワケを聞いてみよう…。」
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そして翌日。
学校が終わった後、獄寺はいつものように沢田家にやってきて
ツナの宿題を手伝っていた。
「ここの時制が過去形なので、接続文の動詞も過去形になります。」
「えーと、ってことはwillだから…would?」
「その通りです十代目!」
「ああー疲れたー。」
「そうっすね、一休みしますか!もうあとちょっとで終わりですしね。」
「うん、じゃあ俺、下から飲み物持ってくるよ。
あ、あと獄寺君。今日うち焼き肉にするから獄寺君も食べて行って。」
「!」
それを聞いた途端、いつものようにニコニコと、嬉しそうにツナの宿題を手伝っていた獄寺が
突然慌てだす。
「とととんでもないです十代目!そんな遅くまでお邪魔しちゃー…」
「何で?別に夕飯くらい平気だよ。それに前はよく一緒に食べてたじゃん!」
「いえいえ、本当にその節にはお母様にもご迷惑をおかけしました!
やはり十代目の一家の団欒をお邪魔する訳には行かないので俺は帰ります!
…あ、ジュースっすね。俺がとってきます!」
そういって獄寺はツナの視線を避けるように,急いでツナの部屋を出て台所へと降りて行った。
「やっぱり怪しい…。」