「あ!!見てみて、獄寺くん、あそこ!!流れ星!!」
それは、皆で海にでかけた日の夜。
ハルと京子ちゃんは二人で別の部屋、もともと夜が早いお兄さんと泳ぎ&ケンカに疲れた山本は
いつの間にか眠ってしまい、どうにも興奮してしまって寝付けない俺は獄寺君に誘われて夜の散歩に出たのだった。
「……………。あーー!!間に合わなかった!!消えるの早いよ〜」
「じゅ、十代目??どうしたんですか?」
「どうしたって、願い事だよー。1回しか言えなかった!!」
「願い事?」
どうやら獄寺君は「流れ星が消える前に願い事を三回唱えるとその願いがかなう」
というハナシを知らないみたいだった。
もしかしてこれって日本だけで言われてる事なのかな?
皆知ってると思っていたほんのちょっとした、かわいらしいジンクス。
なのに獄寺くんてば
「さすが十代目!物知りっすね!よし、俺も全力で探します!十代目のお願い事、叶えさせましょう!」
なんて張り切ってる。
俺はダメツナだから流れ星なんかに頼っちゃうけど、きっと獄寺くんなら自分の願い事くらい
自分で叶えちゃうんだろうな。
「…現れないっすねー。」
首が痛くなるくらい、二人で星の海を見上げていたけれど
流れ星はいっこうに降ってこない。
ううん、もしかしたら来ていたのかもしれないけれど
この満天の星の中からその一筋の光の帯を見つけ出すのは容易なことじゃなかった。
「くそー、なんで見つからねえんだ!十代目、申し訳ありません!!」
「い、いいよ獄寺君、そんな大した事じゃないし。またいつでも見られるし。」
このままじゃ獄寺君は「見つけるまでがんばります!」なんて言いそうだから
「いつでも見られるし」なんて言っちゃったけど
実は、さっきのが生まれて初めてみた流れ星だった。
その美しさにびっくりして、目を奪われて、願い事を言うのがちょっと遅れちゃったんだ。
ほんとうに、願い事を叶える力を持っていると皆が思っても不思議じゃないくらい
きらきらと輝く宇宙からの贈り物。
「あっ!!十代目あそこ!!」
「えっ!?」
「すげえ!!すげえきれいです十代目!!」
そう言った君の方を振り返る。
「……………。」
「十代目??お願い事言えましたか?」
「……。」
「十代目?」
「えっ、あっ、うん、ごめん!!」」
「ちゃんと見えました?間に合いました?まだだったらもう少し…」
「う、ううん大丈夫!きれいだったね!じゃあ、もう遅いし帰ろうか。」
「ハイ!!」
本当は、振り返った時にはもう流れ星は見えなかった。
心の底から喜びを表して
流れ星よりずっときらきら輝いている
君の笑顔の方にみとれてしまったから。
「いつまでも獄寺君と一緒に、幸せにいたいです。」
さっきのお願い、1回しか言えなかったけど叶えてくれたのかな。
END (→あとがき)
presented by Rayri Minazuki on 22.Sep.2008